駐在員の妻がゆく with babies in カナダ

夫の転勤に伴いトロントに来て3年目。日本で一人目、カナダで二人目の妊娠・出産を経て、ただいま子育て奮闘中。海外子育て事情や、これからカナダに滞在予定の方に役立つような情報もお届けできればと思います。

欧米式のしつけ-"Time-out"と“Time-in”

 しつけの仕方は千差万別ですが、欧米で昔から良く使われているしつけの方法に"Time-out"「タイムアウト」という手法があります。それに対して、最近は“Time-in”「タイムイン」という逆のしつけ方法も話題になっています。今回はその方法を紹介します。

 

1. タイムアウトとは?

"Time-out"を直訳すると「小休止」。何か悪い行動をしたとき、かんしゃくを起こしている子供を部屋の隅や静かな場所へ連れて行き、そこで少しの時間自分で考えて反省させるということです。子供に罰を与えるのではなく、冷静になって何が悪かったのかを学ばせる機会を与えることです。

 

タイムアウトに必要な時間ですが、一般的には年齢x1分と言われています。3歳は3分、5歳は5分といういった感じです。また、タイムアウトには部屋の隅や特定のいすに座らる等、気が散らないような場所を設定します。我が家のタイムアウト場所は、部屋の角にあります。リビングからは見えないので、家族からは少し離れることができます。

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タイムアウトについてリサーチしていたところ、その方法がわかる動画を見つけました。アメリカの人気テレビ番組“Super nanny”です。アメリカでナニー(乳母・教育係)として凄腕のJo Frostさんが、言うことを聞かずかんしゃくを起こしている子供のしつけに挑みます。

 

 


How to Use the Naughty Chair Correctly: Supernanny US

 

ママが夕飯の支度をしたいのに、子供が抱っこをせがんでいます。ママが子供を抱っこしようとしたところを、Joが止めます。「ここで抱っこをしてしまうと、子供が自分のしてほしいことは泣き叫べばやってくれると肯定してしまうことになる。母親として今すべきなのは、家族の為に夕飯の支度をすることよ」そして、ママは夕飯の支度をするから抱っこはできないと娘に伝えます。しかし、子供の癇癪はエスカレートし、ママをたたき始めます。ここで、「もしまた叩いたら、次はタイムアウトよ。」と一度警告します。 親の警告を無視し、また叩いた娘は、“Naughty Chair”「お仕置き用のいす」に座らせられます。この後1時間半に渡り、いすに座らせるようと悪戦苦闘するわけですが、最後に母親が言います。「まずさっきママにしたことを謝りなさい」。「ごめんなさい」。これまでは、ぐずった子供の要求をすぐに聞いていたママですが、ママの言うことを聞かせるということに成功したわけです。言い換えれば、主導権を親が取り戻したことになります。親も相当の忍耐力が要りますね。

 

2. カナダの法改正「おしりたたき禁止令」

カナダでは、"Spanking Law"「身体的な罰を子供に与える事を禁止する法律」が近々施行される見込みです。これまでは、学校の先生や保護者、または子供を養育に関わる人たちが、しつけのために度を越さない程度の身体的な罰を与えることは容認されていました。しかし、今後は身体的な罰はその度合いに関わらず違法になります。ニュージーランドスウェーデンをはじめとして、世界中で40か国以上で子供に身体的な罰を与えることが既に法律で禁止されています。

 

公衆の面前で体罰を与えなくても、子供が通報したり、学校で先生にきかれたり、叩いた親や先生が罰せられる可能性は高いのです。ますます、しつけ方法を考えさせられます。

 

3. タイムアウトとは真逆の発想!?シュタイナー教育の先生に聞いた考え方

このタイムアウトの手法、すごく効果的と聞いていたものの、私にはどこか違和感がありました。その違和感が解消したのが、娘とシュタイナー教育のParenting Classに通っていた時のこと。タイムアウトについて先生に質問したことがあります。シュタイナー教育で、癇癪を起した子供にどのようなアプローチをするのか興味がありました。先生の答えは、「子供が癇癪を起している時っていうのは、子供が親の助けを必要としている時なの。だから親が子供から離れるのは逆効果だと思うわ。むしろ、子供と一緒にいてあげなきゃ。」なるほど、子供が悪さをするのは、親の注意を引くためであって、子供は何かに困っている。親はそのことに気づいてあげなければならないということ。でも、子供が癇癪を起せば親だって爆発しそうになることだってあります。その時はどうしたらいいのでしょう?「その時は親がタイムアウトしたらいいわ。トイレでも倉庫でも少し子供から離れて、自分がクールダウンするの。自分が落ち着いてからまた子供と冷静に向き合うのよ。」

 

この方法ですが、近年“Time-out”「タイムアウト」と対比して“Time-in”「タイムイン」と言われるそうです。子供が癇癪を起した時こそ、子供に寄り添い、まずは子供の感情を吐き出させてあげる。その上で、親が何が悪かったのかを話すと、子供も素直に聞き納得するというのです。タイムアウトの問題点として、子供との対立関係が深まったり子供の疎外感を増幅させてしまうという点が指摘されてきました。タイムインは子供に安心感を与え、親子の信頼関係を深める肯定的な方法として考えられています。

 

4.まとめ

我が家の場合には、タイムアウトと、場合によっては、タイムインとまだ試行錯誤しています。今の所、タイムアウトはむしろ癇癪を増長させていることが多いです。悪さをしたときは、部屋の角に連れて行って二人で一緒にタイムインするというのが、一番早く癇癪がおさまるように感じています。手を挙げてしまいそうなった時には、「ママ、タイムアウトするから!」といって、トイレに駆け込んだこともあります。外から「ママ、お腹すいた~、喉乾いた~、おなか痛い~」と仮病までつかってママに出てきてアピールをする子供に最後は笑ってしまい、一気にクールダウンしました。しつけの方法は、子供の性格や親の方針によっても変わりますので、一概にこれが効果的とは言えませんが、最近私の身の回りで聞いたしつけの方法、参考になればうれしいです。

 

References(参照ウェブサイト);

Spanking children could soon be illegal in Canada | Globalnews.ca

6 Successful Time-Out Tactics - Parents.com

What's the best way to discipline a toddler? | BabyCenter

Time Out vs. Time In: What’s the difference? | Positive Parenting Connection

 

 

 

 今週のお題「わたしの部屋」